QoS 【Quality of Service】
概要
QoS(Quality of Service)とは、機器やシステムが外部に提供するサービスの品質の水準。特に、通信回線やネットワークに様々な種類の通信が混在しているとき、通信内容に応じてそれぞれに適した通信品質を確保すること。また、そのための技術や機能。ネットワークを流れるデータには用途やシステムの種類によって様々な特性があり、求められる品質も異なる。例えば、通話は常に一定の帯域幅を必要とし、即時性が求められるため遅延が許されないが、多少のデータの欠落は許容できる。一方、ファイルの送受信は即時性や均一性は求められないが、データの欠落や誤りが起こらないことが求められる。
このような場合に、通信の種類に応じて優先度を設定して高いものを優先的に伝送したり、特定の通信に対して一定の帯域幅を予約し、伝送要求が増大した時も通信が途切れないようにする技術のことをQoSという。
IPにおけるQoS
インターネットなどで用いられるIP(Internet Protocol)にも「DiffServ」(Differentiated Services)と呼ばれるQoSのための仕組みが用意されている。
IPデータグラムの制御情報を記載するIPヘッダには通信の種類を表す「TOS」(Type Of Service)と呼ばれる8ビットの領域があり、このうちの6ビット(DSCP:DiffServ Code Point)を用いて通信の「クラス」を指定する。
各クラスの転送処理の振る舞いは4段階の優先度と3段階の破棄レベルで表される。送信元の最寄りのルータがIPデータグラムの制御情報(送信元や宛先、UDPかTCPか、ポート番号はいくつかなど)を調べてクラスに分類し、転送経路上のルータはこれに従って転送処理を行う。
(2023.1.27更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 東京都昭島市「昭島市デジタル化推進計画」(PDFファイル)にて引用 (2022年3月)